私たちが生きる「世界観」とは?
皆さま、バランスライフコーチの岩下玲子です。
今日は、他人の世界観を尊重するをお届けしたいと思います。
そもそも「世界観」という言葉は、日常ではあまり使われないかもしれませんね。
私がここでお伝えしたい世界観とは、その人が生きている環境や背景、価値観、物事の見方、
そして人生への姿勢といった、その人をつくる大きな枠組みのことを指しています。
価値観とは、時間・お金・エネルギーなどを「どこに投資したいか」で形づくられますし、
物事の見え方も、これまでの人生経験によって大きく変わるものです。
つまり、世界観とは「その人が生きてきたすべてから生まれるもの」だと言えます。
同じ家族でも世界観は違う理由
世界観は、単に「考え方」よりももっと大きく深いものです。
例えば、平安時代と令和では文化も常識も大きく違いますよね。
そうした時代背景ひとつでも、世界の見え方はまったく変わります。
それと同じで、たとえ同じ家庭に生まれ、似た環境で育った兄弟姉妹でも、
関わる友人やパートナー、選んだ仕事や経験が違えば、世界観は当然変わります。
例えば、安全な日本で暮らす私たちと、戦禍の続く地域で暮らす人々の世界観は大きく違います。
それぞれの環境・体験が、ひとりひとりの世界の捉え方を形づくっているのです。
他人の世界観を尊重すると心がラクになる
今回お伝えしたいのは、「世界観を尊重する」という姿勢が、コミュニケーションを驚くほど滑らかにするということです。
尊重とは、「あなたはそういう考え方なのですね」「そういう選択を大切にしているのですね」と認め、
批判せずに受け止めることです。
賛成も反対もしなくて構いません。ただ、相手を自分とは別の存在として大切に扱うということです。
そうすることで、自分の感情も整い、余計なストレスや衝突が減っていきます。
「相手は相手、自分は自分」と健やかな距離感を持つことで、心はずっと軽くなります。
違いは必然。世界観が生まれる背景を理解する
自分と考え方が違うと、つい「どうしてそんな考え方をするの?」とイラッとしてしまうことがありますよね。
でも、相手が生きてきた世界観を思えば、その違いは当然のことなのだと気づきます。
例えば、兄弟が多い家庭で育った方は、好きなものを早く食べないと自分の分がなくなる経験をしています。
そのため「食事は急いで食べるもの」という感覚が自然に身につきます。
一方、一人っ子で丁寧に食事を楽しむ時間が与えられて育った方は、大人になってもゆっくり味わう食べ方が身につきます。
このように、育つ世界が違えば、行動も当たり前も変わるのです。
だからこそ、相手を理解しようとする姿勢がとても大切になってきます。
尊重とは「あなたはあなた、私は私」と認め合うこと
もちろん、相手の世界観が自分とどうしても合わない場合もあります。
価値観がまったく逆で、一緒にいることが難しくなることもあるでしょう。
でもそれは、相手を批判していい理由にはなりません。
大切なのは、
「あなたはそういう世界観なのですね。私はこういう世界観で生きています」
と、相手と自分を丁寧に分けて考えること。
批判も否定も責めもしない。上から見たり下に見たりしない。
ただ「そういう生き方をしているのですね」と認めるだけでいいのです。
尊重していれば、自分の価値観も同じように尊重してもらえるようになります。
私たちは、自分が出したものを受け取る生き物ですから。
そして、どうしても共存が難しいなら、批判するのではなく、
静かに距離を置くという選択もまた自分を大切にする行動です。
他人を変えることはできませんが、自分の考え方と行動はいつでも選び直すことができます。
世界観を尊重することで、関係性は穏やかに整う
相手の世界観が合わないとイラッとすることは誰にでもあります。でも、
「この人はこういう世界で生きてきたのね」
と理解しようとするだけで気持ちはずいぶん軽くなります。
その上で、共存できるのか、それとも距離を置くほうが安心なのか。
その選択権はいつも自分の手の中にあります。
うまくいく人は「尊重する」という姿勢をとても大切にしています。
批判から生まれるものは少なく、理解から生まれるものはとても多いです。
今日は、この大切な考え方についてお話しさせていただきました。
少しでも心が軽くなったり、人間関係が楽になるヒントになったら嬉しいです。
うまくいく考え方の第1回、「他人の世界観を尊重する」という話し
これで終わりにいたします。ありがとうございました。